いつも思う事がある。 俺なんかが介入していい話ではないとは思うんだけど、今回ばかりは、フォローしてあげなくちゃって思ってしまったんだ。
いつからなのか分からないけど、山本と獄寺君は男同士だけど、友達以上の関係なんだと気がついた。 気がついたのは、獄寺君が時折見せる切ない表情の視線の先には、山本がいて、口では色々言っていても、瞳だけはまっすぐ相手を見て、キラキラと嬉しそうに光っていたから。 俺に向ける瞳の色とは違うものだったから。
山本も獄寺君は、誰が見てもかっこよくて、女の子からも、男の子からも人気があると思う。 だから、告白される事なんて日常的な物になりつつあるのは知っていた。
「山本……ちょっと良いかな?」
野球の練習が終わった山本に声を掛けた。 一瞬嫌そうな顔を見せたが、その表情はいつもの笑顔に戻り、「どうした、こんな時間まで??」とわざとらしく言ってくる。 俺が嫌なら、嫌って言えばいいのに……そうは思ったが、口には出さず近くの公園まで行こうと伝えた。
ちょっと前の自分だったら、何も言えず誤魔化して逃げてた。 こうやって、真正面から向き合うって事ができるようになったのは、癪だけど、リボーンのおかげで、いつも傍にいてくれる獄寺君や、山本のおかげ。 だから、俺はおせっかいってわかってはいても、つい手を差し伸べたくなってしまったんだ。
「んで、話って何なんだツナ?」
「山本……獄寺君の気持ち考えた事ある?」
「何の事だ?」
山本の顔からは笑みが消え、鋭い視線を俺に向けてくる。 その強い視線に一瞬怯みはしたが、すぐに体制を整えて、その強い視線を見返す。 ここで、負けてしまってはお節介をしにきた意味がない。
「獄寺君の気持ち考えた事ある?」
「ツナ……お前が、何言いたいのかわかんねぇよ」
「泣いてたよ……獄寺君。正確には泣きそうにしてた……かもしれないけど」
「それが、俺のせいだって言うのか?俺は、何もしてねぇよ。」
山本は、顔を背け辛そうに眉を寄せた。 そんなに辛そうな表情を浮かべるなら、初めからあんな事を獄寺君に言わなければ良いのに。
「あのラブレター……山本宛だったって知ってた?」
「はっ?あいつが何でそんなの持ってんだよ?」
そんな事があるわけがないと言わんばかりに、山本は俺に聞いてくる。 その言動に、本当に気が付いていなかったんだなぁと、山本が不憫に思えてきた。あんなに、コロコロと表情が変わっているのに、鈍感・ダメツナと言われ続けている俺が分かる事なのに……
「獄寺君、一度もラブレターとかプレゼントとか受け取ってないんだよ?直接告白されても、きっちり断ってるって知ってる?」
「俺だってちゃんと…」
「山本は違うよね?」
山本の言葉を遮って俺は言った。
「山本はラブレターもプレゼントも受け取ってるよね?獄寺君の気持ち分からない?」
「ツナ?」
「今日、どうしてあんな事獄寺君に言ったの?ラブレターを持っている獄寺君にどうしてあんな事言ったの?」
「それは…俺がいるのに……っ!」
「山本がそう思うなら、獄寺君が思ってもおかしくないと思わない?」
山本は、暫く何も言わず項垂れていた。 俺がここまで言うまで気が付かないなんて、山本も相当鈍感なんだと思う。
「ツナ……俺って、酷いやつ?」
「たぶんね……でも、気が付いたんだからいいんじゃない?これから、ちゃんとしていけば」
「…そうだな……サンキューな、ツナ!俺、あいつに謝ってくる!」
「うん。また、明日ね?」
「あぁ!またな!」
山本は、そういうとすごい速さで走っていった。 きっと獄寺君の家に言ったんだと思う。 俺は、大きなため息を付き空を見上げた。
「お節介……役に立つといいなぁ〜」
明日の事を思って、俺は笑みを漏らした。
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